2014/05/15

失われつつある大切なもの

私は古いものや想いを込めて作られたものがすきです。

日本の民藝もすき。

職人さんのアトリエや工房に行くとわくわくします。

ごちゃごちゃと色んな工具や材料が並んで

ちょっとほこりっぽくて

独特の匂いがする。

自然の素材が相手だから

我もない。

郡上で朝ご飯を食べてたら

旦那さんがいきなり「船の職人さんに会いたい」と呟き。笑

ゆきえちゃんのお友達に紹介していただいた職人さんのところへ。

田尻浴槽店さん。

日曜の朝でも働いてる。

鵜飼船を作っていらっしゃいました。


 木材にしっかり刺さり込むようにわざと錆びた釘をつかうそうです。
(表面がギザギザ)

 使わなくなった船は燃やして釘だけ再利用するそうです。
(その潔さもまたかっこいい)

釘を作る職人さんももうほとんどいないそう。

 図面はなくて

感覚で作っていくそうです。

それもかっこ良すぎる。

そこらじゅうに定規が吊るされてる。笑

一通り船のお話をしていただいたあと

職人の生活の難しさや厳しさのお話もお聞きしました。

もともと桶屋だったのが最近は桶のお風呂なんての受注はないし

川がある限り船は必要だろうと造船の修行をされたけど

今はもう船の受注もないこと。

自分が相当苦労したからもう弟子はとりたくないしとれないこと
 (食べていけないから)

作られているものは素晴らしいのに

求められないという 厳しい状況。

便利、簡単というものに浸食されてしまった私たちの生活。

こうして日本の職人さんたちは

どんどんいなくなっていく。

素晴らしい技術も

素晴らしい伝統も

失われていってしまう。

黙々と淡々と続いて行くものもあれば

こうしてなくなりつつものもたくさんあるんだな・・

現状のお話を聞いて

どうしようもないしんみりした気持ちになりました。

伝統を守ることは一個人としては難しいけれど

まずは触れて

今の生活の中で上手に活用したり

新しい感覚で取り入れたり

どうにか繋がって関わっていけたらいいな

そんな風に思います。

いいものを残す、大切にする。

便利さに惑わされない。

んー

実際には難しいのかな・・