2018/12/20

今年を振り返る 母として

日々成長していく子どもたち

繰り返される毎日の中で

同じ瞬間はない



息子はまだ赤ちゃんの匂いがする

娘の頬に鼻をくっつけると

まだ同じような赤ちゃんの匂いがする

この匂いはいつまで残るのかな

どんどん自分の世界を広げて

離れていくけれど

この匂いがするうちは

たくさん抱きしめて甘えさせてあげたい

そんな気持ちに少し切なくなることもある

自立してほしい

手が離れると楽だなあ

ひとりでできることはひとりでやろうね

そんな気持ちと同時に

ただ何も考えずに

温かさと愛おしさを伝え合うように

触れ合って微笑み合う時間が

お互いにまだ必要だと感じてる




満たしてあげたい

全身全霊で

求めてくれるのは

言葉にならないくらいの喜び



まだひとりで出来ることは少ないけれど

自分の意思をしっかりともった息子

自分のことはできるようになってきたけれど

まだ甘えたい娘


みんなが揺れている


そんな変化が常の中

投げ出したくなるときや

振り払いたくなるときもある

自分の波

子どもの波

波長を合わせる

忍耐強く説明することも

正直に真摯にぶつかることも

時には必要だったりする

ありのままでいることが

悪いことではないと

受け入れよう

認めよう

見守ろう

待とう

循環の波の中にあることに

心地よさを感じれるように


お義母さんに言われて印象に残った言葉

息子が生まれてから

家族がまろやかになった

きっとこの子が柔らかさを持ってきたんだね

ああ

本当にそうかもしれない


家族みんなそれぞれが

それぞれのエネルギーと役割を持っていて

それを引き出して

調和しつつ

個を生かしていけるように

感覚を澄まして

支えていきたい


今年読んだ本の中で

強烈で印象的だった本がある

窪美澄さん

「不甲斐ない僕は空を見た」

ここに出てくる助産師さんのお母さん

こんなお母さんになりたい

印象に残ったシーン

お母さんが祈っているのを見て

何をお祈りしているのかを息子が聞く

お母さんはこう答える


ぜんぶのこども
これから生まれてくる子も、生まれてこられなかった子も
生きている子も死んだ子もぜんぶ


そしてこのあとがきも印象に残った


どう生きるか、生きて何をするのか、
なんのために生きるのかという賢さではなく
ただ生きて、ただここに在る
「ただ」の愚かしさと愛おしさを等分に見つめ、丸ごと肯定する
その覚悟に満ちた眼差しの深さと強さに
それこそ、ただただ圧倒されたのである



もう一冊

アガサクリスティ

「春にして君を離れ」

こちらは心がざわざわと恐怖を感じた1冊

女性として

家族を持つものとして

どう向き合うか

どう生きていくか

それを問われる1冊



見渡す限り遮るものもない砂漠
けれども私はこれまでずっと
小さな箱のような世界で暮らしてきたのだ。
玩具の子どもたち、玩具のメイドたち、そして玩具の夫と

このわたしが現実の人間ではないのかもしれない。
玩具の妻、玩具の母親なのかもしれない。


わたしは何一つ知らなかった。
愛してはいた。
しかし知らなかったのだ。
知っていなければいけなかったのに。
愛している人たちのことなら、当然知っているはずなのに。
わたしがこれまで誰についても真相を知らずに過ごしてきたのは
こうあってほしいと思うようなことを信じて
真相に直面する苦しみを避ける方が、
ずっと楽だったからだ。




今までもこれからも

少なくともあと2年は

生きることのお世話をすること

それが大きな役割としてわたしが努めることだと思う

それと同時進行で

母として、一人の人間として

どのように生きていくかを

示していけるよう

道を切り開いて生きたい

深みを持ちたい



こうしていつも

刺激や問いかけや課題

愛と喜びと癒し

楽しいと笑える日々

近くても遠くても

今を生きているということを共有できる存在が

いてくれること

感謝して

今年を締めくくりたいと思います

よいお年を